2026.09.17

ベンダー選定前に必須!プレ要件定義の進め方を解説

要件定義は、コンサルタントやシステムベンダーが主導して実施するものと思われがちです。しかし、本来「どのようなシステムを導入したいのか」「システム投資によってどのような効果を得たいのか」を決めるのはユーザー企業側です。

一方で、多くの企業では社内で要件定義を行うことに慣れておらず、その結果としてシステム導入が迷走してしまうケースも少なくありません。そこで今回は、システム導入を成功に導くための要件定義について解説します。

 一般的な導入タスクとスケジュール

要件定義から導入完了までの期間は、どのくらいを想定すればよいのででしょうか。

システム導入プロジェクトの期間は規模によって異なりますが、ベンダー選定までのシステム化企画フェーズでは、中小規模で半年から1年、中・大規模では1年以上が一般的な目安です。その後の導入設計フェーズは、中小規模で半年から1年、中・大規模で1年から2年程度かかります。

企画から本稼働までのトータル期間は、おおむね2年から4年程度と考えられます。

要件定義とは

一般的に要件定義とは、導入設計フェーズで実施する「Fit & Gap分析」「基本設計」「詳細設計」を指します。

パッケージソフトであれば「適用設計」、スクラッチ開発であれば「システム設計」に相当する工程です。

一方、今回解説する要件定義は、こうした導入設計段階の要件定義ではありません。ベンダー選定前に、ユーザー企業が社内で実施する要件定義を指します。

具体的には、以下の内容を整理・決定する工程です。

  • 導入体制の構築

  • 目的とゴールの設定

  • 導入方針の決定

  • 導入範囲の決定

  • 要件リストの作成

つまりここでの要件定義は、システム導入工程において、「何を導入するか」ではなく、「なぜ導入するか」を明確にする工程と言えます。この社内で実施する要件整理を「プレ要件定義」と呼びます。

 システム導入の目的

基幹システム導入の目的としては、業務の標準化、部門間の情報連携強化、業務効率の向上、保守期限切れへの対応などが挙げられます。

ただし、企業のデジタル化の成熟度や、どの層の課題解決を重視するかによって目的は変わります。

要件はあくまでも目的を達成するために存在するものです。そのため、まず目的を明確にし、それに基づいて要件を定義することが重要です。

現場から現行システムへの不満を集めるだけでは十分ではありません。目的を共有したうえで要件を整理していくことにこそ、意味があります。

要件定義失敗の主な原因と影響

要件定義がうまくいかない代表的原因とその影響をみていきましょう。

  • 目的が不明瞭

システム導入の目的が曖昧なままだと、関係者それぞれが現状の不満ばかりを挙げるようになり、要件だけが際限なく増えてしまいます。

  • 要件が不明瞭

要件の洗い出しが不十分であったり、優先順位付けがされていなかったり、全体目的と個別の機能要件に矛盾があったりすると、ベンダーごとに解釈が異なり、提案内容にばらつきが生じます。 

  • 範囲や実現手段が不明瞭

システム化する業務範囲が明確でない場合や、システムによる自動化が必須なのか、人による運用を許容するのかが定まっていない場合、導入フェーズで追加要望が発生しやすくなります。

要件定義の失敗がもたらすもの 

要件定義に失敗すると、ベンダー選定やシステム導入そのものの失敗につながります。

要件が曖昧な場合、ベンダーはそれぞれ自社に有利な解釈により提案を行うため、「対応可能です」という回答が増えることになります。しかし実際には、実現できる機能の範囲や深度は提案するベンダーごとに異なるため、適切な比較ができなくなります。

また、品質・コスト・納期にも大きな影響が及びます。

例えば、開発したにもかかわらず使われないシステムになったり、必要な機能が実装されなかったりするなど、品質面に問題が発生します。また、追加開発による予算超過やスケジュールの遅延を招く可能性もあります。

要件定義に失敗しないためのポイント

ここまで述べてきたように、要件定義を成功させるには、次のポイントを徹底することが重要です。

  • 要件定義を最優先事項として、プロジェクト開始時に実施する

  • 目的とゴールを明確にし、その範囲内で要件定義を行う

さらに、経営層や関係部署を巻き込んだ推進体制を構築すること、要件定義で決定したことは完了まで覆さないことも重要なポイントです。

プレ要件定義についてさらに詳しく知りたい方は、是非こちらのeBookをご確認ください。

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