企業のシステムが1つのアプリケーションやサービスのみではなく複数で構成されていることは多々あります。 すると必然的に重複して管理しなければならないマスターなどが生じ、どのように連携するか考慮することがあるでしょう。
そこで、その連携方法3つを考察してみます。
① Web API で連携
マーケティングに特化した CRM システムをお持ちの場合、基幹システムとの間でお客様情報や販売実績の連携が課題になることがあります。 このような場合に CRM システムでお客様情報を更新する都度、基幹システムに Web API で連携すると、ほぼリアルタイムでその情報を同期できます。 ただし Web API を利用するには、以下のような考慮すべき点があります。
- Web サーバの構築が必要になる場合がある
- データを取得したり保存したりするトリガーがシステムに備わっていない場合、カスタマイズやハブシステムなど別途トリガーとなる仕組みが必要 。
※トリガーとは:OKボタンを押したり、スケジュールで指定の時間が到来したりしたときに Web API を呼び出す、という機能が備わっていることを指します。
※ハブシステムとは:連携させたい両システムいずれにもトリガーが無かった場合、その中間にハブシステムを置いてトリガーや Web API の呼び出しを定義します。
また、 API の制限にも注意を払う必要性が生じることがあります。
- 1回に扱えるデータ件数が100件までのように決まっている場合がある。
- 1秒あたりの API 実行は何回までと決まっている場合がある。(リクエストレートと言います)
何千、何万といった大量データの一括連携にはあまり向かない場合もあると思われます。
② ファイル連携
システムAが所定のフォルダに csv などのファイルを出力し、別のシステムBがそのファイルを読み込んで連携します。システムAやBが所定のフォルダを直接参照できない場合は、その間にファイルを伝送する仕組みが入る場合もあります。
例えば、物流倉庫への指示データ、その指示に基づく入出庫実績データのように1日(1回から数回)ごと、あるいは、拠点の売上データなどを1日、1週間、1か月のように、リアルタイム性はそこまで要求されないが、合理的なタイミングで、複数の取引データを一括で連携する/したい場合に向いていると考えられます。 従来からよくある方法であり、カスタマイズを行わなくても標準機能として備わっているシステムが多い印象です。
③ コピー&ペースト
連携と言うには、より小さな機能となりますが、別管理しているエクセルファイルからセル範囲をコピーして、複数の明細行を一度に入力できれば効率的です。
弊社製品である「 Plaza-i 」では、従来からグリッドに貼り付け機能がありましたが、貼り付けるデータは予めグリッドの列の順番通りに並んでいなければならなかったことや、1つのデータを左右2つのグリッドに分けて表示している場合に非対応であったことから、貼り付けたくても意図した通りに貼り付けるのが難しいことがありました。
「グリッドに貼り付け(フィールド物理名付き)」という機能を追加し、データ受入可能な標準フォーマットであれば、従来と比べ列の順序を気にしなくてよく、左右グリッドにも対応しているので、列と値をまるごとコピーして、そのまま貼り付けできるようになりました。
おわりに
弊社製品「 Plaza-i」 では、従来から備わっているファイル連携と、コピー&ペースト強化に加えて、近年は Web API 開発も進めておりますので、データ連携の課題がございましたら、弊社までお気軽にご相談ください。