ここ数年、弊社ERP「Plaza-i」を導入されるお客様で、得意先とのEDI連携を「Plaza-i」で実装したいというご相談をよくいただくようになりました。 得意先とのEDI連携をこれから構築したい場合、「Plaza-i」における一つの軸となる考え方をご紹介させていただきます。
得意先とのEDI連携
得意先とのEDI連携においては、世間一般的に何か統一された規定・ルールがある訳でなく、得意先1社1社が独自で決めたEDI連携の仕様が生き続けています。そのため、得意先からEDI連携構築を求められた場合、得意先1社1社毎に、EDI連携の内容を個別に検討する必要があります。 得意先とのEDI連携は、一般的には下記連携ポイントがあります。
- 受注データ連携
- 受注後のEDIポイント(受注請け、納品、請求)
- マスター連携(得意先、商品他)
以下、各処理段階について詳しく見ていきます。
1. 受注データ連携
お客様である得意先は、注文内容となるデータを自社側へ送信します。送信の手段は、外部と外部を繋ぐことを目的とした専用のファイル転送システムを導入し、より効率的で円滑な仕組みを構築したり、注文メールに添付して送信するケース等があります。この辺りは注文の頻度や担当人員リソースなどを踏まえた検討になるでしょう。
注文データを受信したら、基幹システムの指定フォルダに注文データを格納し、データ取込みをします。「Plaza-i」は原則、ファイル連携方式となります。固定長テキストやCSV、TSV(タブ区切り)などの外部ファイルを受信しデータ取込みすることで、連携します。 また、標準機能でSOE受注伝票外部データ取込機能を装備しています。取込みするデータレイアウト(ユーザデータ交換処理マスター)を業務要件に合わせて作り込む必要はありますが、取込みするデータレイアウトについて、受注ヘッダ情報と商品明細情報を横一行に繋げたヘッダ明細横並び型や、受注ヘッダで一行、改行して二行目以降に商品明細情報とするレコード識別型に対応し、幅広いニーズに応えられるようになっています。
EDI連携するインターフェース項目では、商品データに注目します。商品データは、自社側から見て、得意先側で管理している商品コードや商品名で送信されてくることが多く、自社の受注としてデータ取込みするには、得意先側の商品データを自社側の商品データへ置換えする必要があります。「Plaza-i」では得意先商品コードと自社商品コードを結び付ける取引先商品パターンマスターを標準装備していますので、特別なカスタマイズなしで対応可能です。
2. 受注後のEDIポイント
受注したら、継続的にリピート注文をいただくような大口得意先様相手には、注文請けデータを自社側から得意先側へ送信すると、両社間で注文の誤りがないか確認でき、丁寧な対応となります。このとき、出荷予定日をEDI連携項目に含めて、得意先への納期回答を兼ねて対応する場合もあります。
「Plaza-i」で注文請けデータの連携を構築する場合、2重のデータ出力に気を付けます。カスタマイズ対応も視野に検討すると良いでしょう。 商品を出荷したら、納品データを得意先へ送信します。納品データですから、EDI連携データの粒度は自ずと分納単位となります。EDI連携先が海外の得意先で輸出取引の場合、Packing Listデータがこれに相当します。梱包ケースを軸に表現するPacking Listデータと、後続で出力される商品軸のINVOICEデータの両者をどのように成立させるかがEDI連携構築上のポイントになります。
得意先側の納品確認を経て、最後に請求、もしくはINVOICEデータを得意先へ送信します。国内得意先の場合、その得意先様専用のEDI連携の仕組みを取らず、B to B請求書システムを導入し、国内得意先様全体として対応する場合もあるでしょう。海外得意先の場合、INVOICEデータですが、前述のPacking Listとの併用やPlaza-iでは物流在庫、もしくは、債権管理モジュールのどちらの機能から出力するか、その機能性や運用のし易さなどから総合的に判断し、構築を検討します。
3. マスター連携
得意先全般を対象とするB to B請求書システム連携やECシステム連携とは様相が異なり、継続的なリピート注文を前提とする得意先EDI連携は、そこで必要となるマスターデータはある程度固定される側面から、構築時に一度両社でマスターデータを共有しさえすれば、その後、デイリーベースで各マスターを連携させる運用は比較的まれのように思います。今後の取引拡大といった諸事情が見込まれる場合は、「Plaza-i」では商品マスターや出庫先(納品先)マスターが代表的なマスター連携の対象となるでしょう。
おわりに
「Plaza-i」に焦点をあて得意先とのEDI連携をみてきましたが、本記事における運用は、運用を開始する前に十分な時間を取って、弊社コンサルタントによる基本設計、及び導入サポートを行う必要があります。
ご検討の際は弊社営業やコンサルタントまでお問合せください。